第二章 最初のプログラマは貴婦人であった
P022 それらが発する熱のために暑くなった部屋一杯を占有する、途方もない真空管の配列が米ペンシルバニア大学で最初のコンピュータとして歴史に登場する一〇〇年以上も前に、ロンドンのさるサロンで、上品に盛装したヴィクトリア風の紳士が木材と真ちゅうとでできた気取った小さな機械のデモンストレーションを行っていた。両親の知り合いの貴婦人につれてきてもらった、まだ一〇代の褐色の長い髪の娘もこのデモンストレーションを見ていた。彼女は数学の才能に恵まれていたが、勝負運には恵まれず競馬の負けがこんでいた。
その機械を注意深く観察して、彼女はその年配の紳士が何をしようとしているかを理解することができた。そして彼の試みに協力したことで周囲を驚かせた。もしその試みが成功していたとすれば、歴史は大きく変わったであろう。
チャールズ・バベッジとその協力者、ラブレイス夫人エイダは、アメリカの技術者たちがENIACを製作する一世紀も前に、コンピュータを発明する一歩手前までたどりついていたのである。(tw)
P024/ 026/ 028/ 030/ 032/ 034/ 036/ 038/ 040/ 042/ 044/ 046/ 048/ 050
【関連】
・『ポスト資本主義社会』コンピュータの起源(相互参照)
・『ワークステーション原典』(相互参照)