第三章 小野寺機関と間諜鄭蘋如 P75-111
(P74- 3.1 小野寺機関 P75-84)(84- 3.2 鄭蘋如と近衛文隆 P85-91)
(P92- 3.3 諜報員と鄭蘋如 P92-105)
(P98)
P98 本稿脱稿間際の二〇一一年三月号『文芸春秋』に「秘めたる恋35」という特集があり、その中に西木正明の寄稿による「近衛文隆・鄭蘋茹」が発表されている。その中で、この事件の概要が記述されていた。
鄭蘋如を、やはり「軍統」の一員とし、「当時鄭蘋茹逮捕の指揮を取った、元上海駐在日本憲兵隊外事課長、林秀澄憲兵大佐」から事件の詳細を聞いたとして、顛末を記述している(「蘋如」の「如」を、西木は「茹」を当てている)。以下、引用させていただく。
「敵方の要人の娘である鄭蘋茹に一目惚れした文隆は、彼女と濃密な逢瀬を重ね、ついには結婚の約束をするまでになった。(中略)しかし、鄭蘋茹には別の顔があった。蒋介石政権下の軍事委員会調査統計局、略して軍統、別名藍衣社と呼ばれる機密工作組織の一員だったのだ。(略)
敵国日本の宰相の子息に近づいたのも、彼を篭絡して拉致し、日本側に囚われとぃる軍統工作員の釈放を要求、用済みになったら殺害することを目的とした工作の一環であった。
だが、大きな誤算が生じた。意図をもって近づいた鄭蘋茹が、いつしか文隆を本気で愛するようになり、自分の身分を明かして、共に手を携えて重慶を訪れ、蒋介石と近衛文麿公間の連絡ルートを作って、日中和平を図ろうとした。
(P100-)
(P106- 3.4 小野寺機関解体 P106-111)
→『鄭蘋如』(参照)