P48 湯川 ...科学では好きも嫌いもないとはいうけれども、実は心の奥底の方では好き嫌いにつながっている、...
(P90-)
P91 梅棹 ...科学の特徴は、ものごとを説明できないことが非常に多いということです。...
(P150-)
P150 湯川 私は科学が万能だとはけっしていわないし、自分でも思っていないけれども、現実には科学万能に近い世の中になりつつあると思います。(略) その一つは、私、"くすり"だという気がするんです。(略)実際、"くすり"で自分の気持ちを変えようとする人たちがふえつつある。アメリカあたりではとくに、近ごろ、高校生や大学生などの若い年齢層の人たちは、日本などよりずっとストレスの強い状況があるらしい。
(略)科学者などはもっと長期にわたって、もっと強いストレスの状況にある。(略)とにかく若いころから相当高い年齢層に至るまで、きついストレス状況に置かれている。日本の方がいまのところでは、いろんな安全弁がある。ただし将来はどうなるかわかったものではありません。
P151 ともかく、そんな状況のなかにあって求めるものは何かといえば、これは昔なら宗教的な安心立命というようなものだったと思います。では、いうところの科学時代で、それにあたるものは何か。それはスポーツであるかもしれないし、漫画かもしれないし、(略)しかし、それより手取り早いのは、結局"くすり"やないか。アメリカで流行ってるでしょう。
LSDですか、よう知らんけれども。(略)その中に、もしそれを飲んどったら自分が長生きして、しあわせだという感じを持つような"くすり"があったら、それでいいわけや。お釈迦さんが涅槃に入った、そういうふうなことを"くすり"でやれんとはいいきれない。
梅棹 お釈迦さんのころ、とはいわないけれど、昔はそういう技術的手段がなかったから、いろいろ別の方法で到達しようという工夫をこしらえたわけでしょう。もし非常な苦しい修行を経ないでそういう状態に到達できる方法が見つかったら、その方がいい。
湯川 "くすり"が宗教のかわりになるかならんか、まだわからんけれども。
梅棹 涅槃薬というようなもので・・・。(笑)(tw,tw,tw)
1)2020.11.29 28:10~加速主義、新反動主義、ピーター・ティール(参照,tw,tw,tw)【思想をRethinkせよ】宮台真司と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。youtubeP152 湯川 …。秦の始皇帝は不老不死の仙薬をさがした。十九世紀初めイギリスには、ドゥ・クィンシーという作家の『阿片常用者の告白』という本がありますね。アヘンは非常に不完全な"くすり"で弊害の方が大きくてだめですが、将来、もっと手のこんだ楽しい"くすり"がいろいろ出てくるでしょうね。いまはビタミンとかホルモンとか飲むけれども、そんなのよりも、人間の心理状態に非常にうまい影響をおよぼすようなものの方が盛んになるかもしれない。
2)1968 バーバレラ 23分過ぎ~涅槃薬によるセックス
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いまは副作用があったりして困るだろうが、将来はもっと上等の"くすり"ができる可能性はある。そういうところまでゆきますと、人間の生き方の問題というのは主観の問題か、客観の問題か、むつかしいことになる。人間は社会的な存在ですから、主観だけですむかどうか知りませんよ。
しかし、私は最後は主観が勝つのじゃないかと思う。心理的なものの方が強いのじゃないかと思う。そこに一種の「絶対」が出てくる。自分が思い込んでしまったら万事解決、おしまいじゃないか。社会なんかないと思うたらしまいや。あると思うから困るわけでしょう。