2022年5月29日日曜日

偏愛メモ ジョージ・F. ケナン『アメリカ外交50年』

目次
一九八五年版への序
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第一部 第三章 アメリカと東洋 P63-85
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P81われわれの最も消息通の職業外交官の一人であったジョン・V・A・マックマレー氏は、引退されてから数年になるが、一九三五年に極めて思索的で予言的な覚書を書いた(tw)。

その中で、もしわれわれが現にとりつつある方向にこのまま進んで行くならば、日本と戦争が起きるであろうと指摘した後、彼は、かかる戦争においてわれわれの目的を徹底的に貫徹したにしても、それはロシアにうまい汁を吸われるだけであり、山ほどの新しい問題をつくるだけであると述べた(相互参照)。
日本を敗北させたからといって極東問題から日本を排除したことにならないだろう。

P82
……活力ある国民は……敗戦や国家的恥辱によっておとなしくなるものではない。むしろかれらは、自尊心という激情的衝動にかられて、かれらの帝国的権力の全盛期に揮った実力とほとんど少しも劣らぬほどの「厄介者の価値」を発揮するようにな諸手段を用いて自己の存在を再び主張するに至る。

しかしながら、日本を抹殺することが可能であるにしても、それすら極東ないしは世界にとって祝福すべきことにはならないであろう。

それは単に新たな一連の緊張状態をつくり出すだけであり、日本に変わってロシア帝国の後継者としてのソヴィエト連邦が、東アジア制覇の競争者として(そして少なくとも日本と同じくらいに無法なかつ危険な競争者として)立ち現れるであろう。

(略)