2017年4月12日水曜日

「綻びゆくアメリカ」抜き書き

(P194)https://dl.dropboxusercontent.com/s/5d3f0t1n55lhtys/194.jpeg?dl=0 より、

トールキン、SF、チェス、数学、コンピューター…70年代から80年代にかけて、それもサンフランシスコのベイエリアのような土地に暮らす優秀な少年たちのあいだでは、これらの要素は互いに影響し合い、ある世界観と結びついた。つまり、個人の自由を尊重するリバタリアニズムだ。

その背後にあるのは抽象的論理に対する敬意だった。ピーターは十代にしてリバタリアンとなった。はじめはレーガン政権時代の保守主義によって感化され、やがて、純正なリバタリアンへと成長した。

彼は二十代はじめになるまでアイン・ランドを読んだことがなかったが、「肩をすくめるアトラス」や「水源」を読むと、主人公は胡散臭いほど高潔で、悪役はひたすら邪悪で、その世界観はトールキンに比べるとあまりにも二元論的でなおかつ悲観的だった。

 (略、「肩をすくめるアトラス」のあらすじが書かれている)

ピーターは時がたつにつれ、ますますアイン・ランドに感心するようになった。

彼は高校では酒やドラッグとは無縁だった。サンマテオ高校ではオールAをそろえ、1985年に卒業生総代に選ばれた。ハーバードをはじめ出願したすべての大学から入学を許可されたが(省略)スタンフォード大学への進学を決めた。

(P196)https://dl.dropboxusercontent.com/s/08pjsr68yf1f8q6/196.jpeg?dl=0より、

ティールは二年生のとき受講した「精神と物質と意味」という哲学の授業で、きわめて左翼的な立場をとる優秀な学生リードホフマンに出会った。

(省略、二人はよく議論した)

ホフマンは、財産とは社会構造の所産であり、社会がなければ財産は存在しえないと主張し、ティールはマーガレットサッチャーの言葉を引用した。「社会などというものは存在しない。あるのは個々の男と女である」。ホフマンはティールの親友となり、ふたりは社会に出てからも長年にわたって学部生のころと同じように議論に興じることになる。

(省略)

80年代後半のスタンフォードでは必修科目---「西洋文化」と呼ばれていた---をめぐり、60年代の大学紛争にも匹敵する激しい論争が巻き起こっていた。

マイノリティとリベラルな学生たちは、スタンフォードの一年次の文科系必修科目は「死んだ白人男性」ばかりをとりあげる偏った内容であり、他の文化を知る機会を奪っていると主張した。

それに対して保守派の学生たちは、西洋文明に否定的な学生たちがカリキュラムを利用して、スタンフォードに左翼的政策を吹き込もうとしていると疑った。

(省略)

二年生の終わりの1987年6月、ティールはある友人と「スタンフォード・レビュー」という保守的な学生新聞を創刊し、戦いのリングに飛び込んだ。資金と知的アドバイスについては、新保守主義の父と呼ばれるアーヴィング・クリストルが1987年に保守派の学生の活動を支援するため立ち上げた全米規模の組織を頼りにした。

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